西武対楽天・日刊スポーツのボックススコア(2013年9月26日)
9回裏、楽天が1点リードの場面。星野監督は田中将大を登板させる。「田中将大こそが胴上げ投手にふさわしい」確固たる起用だ。
熾烈なAクラス争いを続けるライオンズ。ヒットとフォアボールで一死2・3塁と一打逆転の所まで田中を追い詰めた。3番栗山、4番浅村とライオンズは最高の形を作る。
しかし、今シーズンの田中は形は作らせても、点数を許さない。栗山をストレートで見逃しの三振。
続く浅村との勝負。テレビカメラは田中をアップで移す。その時、私は思った。
「すごい目をしている。これはもう、すべてのイーグルスファンの期待を背負っている目だ。不動明王の境地か」
不動明王とは・・・
不動明王は悪魔を降伏するために恐ろしい姿をされ、すべての障害を打ち砕き、おとなしく仏道に従わないものを、無理矢理にでも導き救済するという役目を持っておられ、真言宗の教主「大日如来」の使者です。お姿は、目を怒らせ、右手に宝剣を持ち左手に縄を持つ大変恐ろしい姿をしておられますが、そのお心は人々を救済しようとする、厳しくもやさしい慈悲に満ちております。昨日の田中は、ストレートでライオンズをねじ伏せ、チームを優勝に導き、ファンや東北の人々を優勝の喜びに導いた。
「マー君、神の子、不思議の子」
野村克也さんの言葉はこの日を予言していた。とは流石に言いすぎだろうか。
そして私は、ある本のエピソードを思い出す。
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