2012年07月09日

西荻窪爆笑落語会「馬るこ・ぴっかり二人会」(2012年7月6日)

2012年7月6日 山崎ビリヤード「馬るこ・ぴっかり二人会」

春風亭ぴっかり 「だくだく」
鈴々舎馬るこ  「レバ刺し根問」(「やかん」改作)
ー中入りー
春風亭ぴっかり 「お菊の皿」
鈴々舎馬るこ  「キャバクラ佐平次」(「居残り佐平次」改作)

お二人とも充実の高座でした。

ぴっかりさんは高校生の頃、3年間西荻窪にある松屋でバイトをしていたそうです。そして今、西荻窪のビリヤード屋の2階で、ビリヤード台に座布団を敷いて、その上に正座して落語をやっている。世の中は狭いですねぇ。

馬るこさんは「西荻がいかにトンチキ街か」を理詰めで話しでいました。西荻窪の駅から徒歩10分ぐらいの所に、吉祥女子中学・高校があります。本来であれば北口の「健全な」商店街を通学路にしているはずなのです。しかし、生徒さんたちは「健全ではない」南口を通ります。西友の裏にある「戦後のバラックのような、夕方の4時から営業している、見るからに小汚い居酒屋や中華料理店、そしてピンサロ」が密集している濃厚な路地を、JKやJCが制服を着て歩くんですよ。私も職場から駅へ帰る途中、この濃厚な路地を通るのですけど、いや毎回違和感がある。馬るこさんによると、この辺は昔「青線」だったそうで。なるほど、あのへんのお店、全部1階と2階があるや。

「やかん」の改作「レバ刺し根問」は、名古屋にある大須演芸場での快楽亭ブラック師匠との「焼肉バトル」がきっかけでこさえた噺。普通のやかんだと「魚の名前の由来」を八五郎が隠居に聞くが、馬るこさんのは八五郎が隠居に「動物の名前の由来を聞く」。個人的にはペンギンの名前の由来が良かったなぁ。

「ペンギンはドMの集団で、発情期になるとメスがオスを四つん這いにする」
「ちょっと待ってください。そりゃ逆でしょう」
「いいから黙って聞け。あいつらはドMの集団なんだぞ。四つん這いになったオスの尻をメスが『ペーン』と叩く。そうするとオスが『ギーン』となってなぁ」

横山まさみち先生の「オットセイ」を思い出した。

八五郎の最後の問いは「なぜレバ刺しが禁止になったのか」結果が知りたいでしょ?
営業妨害になるから書かないけど、「なるほど、ウマいオチだな」と思いました。

ぴっかりさんの二席目「何をやりましょうか。夏の噺でも」と、ふわっとした感じで入った「お菊の皿」。失礼ながら、あまり期待しないで聞いていたら、これが大ハマり。実に面白い。そして、驚いたのが、座布団の上のぴっかりさんが、徐々に大きく見えるようになってきた。高座が終わって、私服に着替えたぴっかりさんを見て「この人、こんなに小柄なの」って驚いたぐらい。完全に目の錯覚なんだけど、それぐらいぴっかりさんが噺に乗って、役に入り込んでいたんだろうね。いや、いい高座でした。

「落語家になる前は、吉原のソープランドでボーイをやっていました」
馬るこさんはそう言って「キャバクラ佐平次」に入る。水商売を知り尽くした男の、水商売の落語。面白いに決まっている。

品川のキャバクラでお大臣遊びをする猪俣佐平次。一晩では遊び足りず(この時はきちんとお金を払う。優秀なサギ師のテクニック)。二日目には「生バンドが聞きたい」と言う。するとキャバクラの黒服で「昔、Xのコピーバンドをやっていた」のがいて、キャバクラの店内でXを演奏する。品川のキャバクラが、目黒の鹿鳴館に早変わり。しかも連中は初期のXのコピーバンド。物を壊す所まで再現。

お店のリフォーム代金を含めて、猪俣さんには1200万円の請求書が。

すごいねぇ。キャバクラで1200万円の請求書。(ホストクラブだとありえるのかな?)

当然、猪さんは支払えません。一文無しの猪さんは、品川のキャバクラのボーイとして、1200万円の返済に挑みます。お客さんがドンペリを入れると10%バックだそうです。

本家佐平次同様、猪さんは水商売の天才でした。猪さんが入店してから、お店の売上がグングン上昇。そうこうするうちに、猪さんの売上は1200万を越え、店長は2号店の開店を計画します。猪さんは店長に。そして…。

この先は言えません。実際に馬るこさんの高座を見て、聞いてお確かめ下さい。

落語はやっぱり実際に見て、聞いて楽しまないとね。

これで木戸銭1500円は安いよ。キャバクラだったら1時間もいられないよ。
posted by 雷庵博人 at 16:45| Comment(2) | TrackBack(0) | 落語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この寄席、以前の記事で見て“よい会だなぁ”と。
次回は伺ってみたいですね。

そういえば西荻南口といえば、その界隈の妖しさは素敵ですよね。
かつて揚げ物盛り合わせが面白すぎる店『登亭』を江口寿志氏が取り上げて有名になりましたが、店主の高齢化で閉店してしまったんですよね。

そこを抜けた先にあったライブハウスで、フォーク歌手のサポートでよくライブに出てました。
あの三上寛さんの前座とか、よくやってました。

馬るこさんのぶっ飛び具合は、いつも予想外すぎて面白すぎますよね。


Posted by 中林20系 at 2012年07月09日 20:47
>>中林20系さん
ビリヤード台の上に座布団を敷いて、落語家がしゃべる。
物凄い不思議な空間ですよ。

次回は9月7日(金)19時開演だそうです。

>>そういえば西荻南口といえば、その界隈の妖しさは素敵ですよね
ええ。あの近辺の猥雑さは「国の需要無形文化財」にして欲しいレベル。

>>あの三上寛さんの前座とか、よくやってました。
うわー。それはすごい。

そういえば西荻窪の北口に「アケタの店」がありますね。
Posted by 雷庵博人 at 2012年07月09日 21:44
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック