2011年05月01日

復興支援の会その2(2011年4月28日)

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彦いち かけ声指南
百栄 弟子の赤飯(こわめし)
白酒 幾代餅
-仲入り-
二楽 紙切り
白鳥 真夜中の襲名

下北沢・シアター711で行われた「復興支援の会その2」演者の皆さんがあまりにもフリーダムすぎるので、自主規制をしながら記載。

飛び入りゲストの彦いち師は自転車通勤。開演待ちのお客さんに「今日、ここの2階で落語会があるんですよ」と教えてもらったそうで。しかも、当日白鳥師から誘われ楽屋に入ると自分ひとりだけギャラが発生しないという事実を聞かされる。売上の半分がチャリティになるそうで。復興支援という事で何を演ろうか迷ったそうで、演目は「かけ声指南」。「人にために何かをしたい」という意気込みがどうにも空回りしてしまう、タイ人のムアンチャイ。ボクシングでジャパニーズドリームを夢見たが、選手として芽が出ず、トレーナーに転身を試みるも日本語が下手で「ガンバレ」をひたすら繰り返す。ジムの会長から暇を出される。傷心のムアンチャイは歌舞伎町へ赴くと・・・。という新作落語。

次いで登場は百栄師。以前、アメリカですし職人をやっているときに、今の師匠、栄枝師と友達になりそれがきっかけで帰国後弟子入りしたそうで。「栄枝さんって、さんづけしただけでも感謝してもらいたい。向うは社長でも経営者でも、ボブはボブですから」。演目は「弟子の赤飯(こわめし)」、こういう古典落語があるという事を初めて知りました。演じたのは六代目の圓生。圓生そっくりの口調で話す高校生を、何とか弟子にしようと悪戦苦闘する落語家の主従が逆転しているところがミソ。自分の母親を「おい、ばあさん」って呼ぶ高校生はいやだw

「このメンバーで義捐金を送るって。何に使うか分かりゃしませんよ」観客が薄々気にしていたことを言ってしまう白酒師。「どうせなら、前回の会に出たかった」とも。あいかわらずいい毒を吐いています。自信を持って「5時に夢中」のコメンテーター推薦できます。マツコ・デラックスにも岩井志摩子にもヒケを取りません。幾代餅を白酒師流の演出で、爆笑エンターテイメントに仕上げていました。特に、清蔵が幾代太夫への恋を告白すると、アメリカのコメディドラマのような大げさの笑いを見せる主人とその女房。あれは面白かった。

紙切りの二楽師。以前シアター711には「ピンクの白鳥」で来たことがあるそうで。いい思いではまったくないとの事w。3.11以降、紙切りがやりづらくてしょうがない。揺れているだけで「不謹慎」だと言われると。自宅で被災した様子をツイッターでつぶやくと「平日の昼間から自宅にいられて、紙切りはいい商売ですね」とdisられ、3月12日に通常営業する鈴本演芸場にいけば客は5人。しかも「大震災」というリクエスト。グチグチと愚痴ります。「切りますけど、取りに来るのはお客さんですよ」というと「被災する落語家」に変更。シュールな世界ですね。「紙切りは揺れてナンボ」という名言を残す。

トリは白鳥師。エスニック着物で登場。羽を広げた孔雀みたいでした。「真夜中の襲名」はパンダが「根岸の人々」ではなく「中国から来た田舎者」という設定だったので、普通の新作落語のように聴けました。最後、この噺は最後、観客が動物園の動物になって、蹄で一本締めするのが恒例なのですが今回は名跡を襲名した二匹ではなく、震災被害者の方々への復興支援の為の一本締めとした所に白鳥師の狭義を感じました。

あまりにフリーダムで、くだらない(無論ホメ言葉)落語会でした。でも、3.11以降腹の底から笑ったのはこの日が初めてじゃないかな。そういう意味では元気と勇気をもらい、木戸銭3000円の半分が義捐金として被災地に送られるというのは、実に喜ばしい。
posted by 雷庵博人 at 17:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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