2006年09月01日

子はかすがいのグリーン豆

自分で自分に三題話を出してみました。

・メッコール
・「子別れ」のようなもの。
・シングルマザー


登場人物
・蕪朱音(かぶらあやね)
学生時代からの寄席好きが高じ、蕪米町(かぶらべいちょう)に弟子入り。女流落語家でシングルマザー。強盗被害に遭い、法廷での証人尋問の際「私に女の魅力を感じなかった犯人を死刑にして下さい」と言って話題になった事がある。

・亀吉
朱音の子。けなげな性格。

・まんざら知らないおじさん(ドラゴン新日)
天才コメディアン、しかし奇人変人で無類のバクチ好き。「おわ〜ん、おわ〜ん」「これはヒライ事ですよ!」等のギャグで知られる。元はルーキー真実という芸名だったがプロレス好きが高じて、現在の芸名に変更。藤波辰爾の大ファンで形態模写が得意。芸名をドラゴン無我に変更予定。

この落語もどきは架空の物語で登場人物もすべて架空の人物です。


朱音
「ただいまぁ。亀ちゃん、遅くなってゴメンね」
亀吉
「うん、本当だよ。もう少し速く帰ってくれば、面白いおじさんに合えたのに」
朱音
「えっ、面白いおじさん?もしかして、知らないおじさんかい?」
亀吉
「いや、まんざら知らないおじさんでもないんだけど」
朱音
「なんだいその言い方。あれ、亀吉。その後ろに隠したものはなんだい?ちょっとお見せ」
亀吉
「な、なんでもないよ母ちゃん」
朱音
「なんだいこれは。あっ、一和(ひとかずと読んでください)高麗人参茶メッコールじゃないか。まあ、この子は。母ちゃん情けないよ。いくら家が売れない芸人夫婦の貧乏一家だって、こんなもの万引きするなんて。どうせならもっと普通に食べられるものを盗みなさい」
亀吉
「怒るポイントが違うよ母ちゃん。それに盗んだんじゃないよ。まんざら知らないおじさんがあたいにくれたんだよ」
朱音
「おかしなことを言う子だね。その、まんざら知らないおじさんは何しにきたんだい?」
亀吉
「『昆布と若布の行商に来た』って言ったんだよ」
朱音
「それはまた随分古典的な。印鑑とか壷は持っていなかったかい?」
亀吉
「昆布と若布しか持ってなかったよ。でも、母ちゃんに教えてもらった『知らないおじさんに何かを渡されそうになった時のお約束その3』を話したんだよ」
朱音
「えらいねぇ、亀吉は。良くあんな長いせりふを覚えたね。噺覚えの悪いあの人はと大違いだよ。で、なんて言ってやったんだい」
亀吉
「母ちゃん、聞きたいか俺の武勇伝」
朱音
「亀ちゃん、『知らないおじさんに何かを渡されそうになった時のお約束その3』を言ったげて」
亀吉
「貴様、このワシが海原遊山と知っての狼藉か!こんなまずいものが喰えるか!!」
朱音
「まさか、寄席や劇場以外でこのセリフが役に立つとはねぇ。で、そのおじさんはどうしたんだい?」
亀吉
「『坊やは面白いねぇ、将来は落語家になれるよ』ってこれを渡してきたんだよ。アタイは『いやだよ、こんな変なの』って断ったんだけど『米町(べいちょうと読んでください)師匠に渡すと、金本選手のサインボールと交換してくれるって』
朱音
「あのアホ。よりによって、師匠の名前を出しやがって・・・。で、、一和(ひとかずと読んでください)高麗人参茶メッコールを渡された・・・。母ちゃんもそのまんざら知らないおじさんを知っているかもしれないねぇ。」

ー家の外から越路吹雪の「ろくでなし」の歌声ー

亀吉
「あっ、まんざら知らないおじさんだ」
朱音
「亀吉、玄関の鍵を閉めとくれ。あと、塩をまいてくれ」
亀吉
「えっ、母ちゃん。まんざら知らないおじさんは、なめくじにたいに溶けちゃうの?」
朱音
「溶けてくれたら。どれだけありがたいか」
亀吉
「まんざら知らないおじさん、おかえり!」
まんざら知らないおじさん
「おう、亀吉。元気だったか」
亀吉
「うん、おじさんは元気なの?」
まんざら知らないおじさん
「勿論、元気に決まったらぁ。向うでポシンタンを喰ったからファイト一発!2発もOKだ!わっはっはっ、おう、絹代。相変わらずいい女だな」
span style="color:#FF0000;">朱音
「私の名前を本名で呼ばないで下さい」
まんざら知らないおじさん
「うん、機嫌悪いな。まあいいや。番組のロケで済州島に行ってきたから、お土産買って来たよ」
亀吉
「うわー、逆さにひっくり返すと女の人のおっぱいが見えるボールペンだぁ〜。ありがとうおじさん!」
朱音
「どうして、亀吉にいやらしい事ばかり教えるんですか」
まんざら知らないおじさん
「絹代に教えられるのか?」
朱音
「えっ、それは・・・」
まんざら知らないおじさん
「男の子には、男親が必要な時がくるんだ。わかるな」
朱音
「う、うん。それは確かにそうやけど・・・」
まんざら知らないおじさん
「まあ、亀吉にもそういう日が来るだろうよ。その時だけこのうちに来る。それでいいだろう」
朱音
「・・・・。うちはそれでかまへんけど」
まんざら知らないおじさん
「それにしても、落語って良くできているよな。こうやって絹代と俺が合えるのは亀吉のおかげじゃないか。」
朱音
「そうかもしれまへんなぁ」

ー知らないおじさん、ラジカセの再生ボタンを押す。
越路吹雪の「ろくでなし」が流れる。知らないおじさん、おもむろに春日井のグリーン豆を鼻に入れるー

朱音
「あんた、何を」

ー知らないおじさん、春日井のグリーン豆を鼻から飛ばすー

まんざら知らないおじさん
落語の子別れで『子は春日井のグリーン豆』って言うじゃないか」
朱音
「・・・・・。あんた、人のネタ、パクって恥ずかしくないんか」
まんざら知らないおじさん
「おーい、亀吉。今日は何して遊ぼうか?」
亀吉
「うん、女郎屋通いごっこがいい」
まんざら知らないおじさん
「そうかぁ、じゃまずは雄琴だな!」
亀吉
「うん、次の日は金津園だよ。だって大阪には女郎屋がないんだろう?」
まんざら知らないおじさん
「まあ、飛田新地に行けば何とかなるけどね」

ー朱音、○| ̄|_ ー

亀吉
「あれ、母ちゃんが変だよ」
まんざら知らないおじさん
「ああ、さっき俺が電マを仕込んだんだ」
亀吉
「そっかぁ、電マじゃしょうがないね」
朱音
「お前ら・・・。お前らみたいな変態スケベニンゲンは、今すぐこの家から、出て行け!出てけ、出てけ、出てけ、出てけ、出て行け!」

今日も朱音さんの家では、「でてけでてけ、てんでんばらばら!」の追い出し太鼓が打ち鳴らされましたとさ。めでたしめでたし。(完)



posted by 雷庵博人 at 23:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ハガキ職人ライフ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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